英語スピーチコンテストは、英語の力だけでなく、自分の考えを人前で伝える力が試される場です。審査では、内容、英語の正確さ、発音や表現力などが見られることが多く、上手な英語を並べるより、自分の言葉で、自分の経験を伝えることが大切になります。ここでは、原稿づくりから本番までの流れを、順番に説明します。
まず要項(ルール)を確認する
原稿を書き始める前に、参加するコンテストの要項を必ず読みましょう。ルールは大会ごとに大きく違います。特に次の点は、原稿の長さや練習の仕方に直接かかわります。
- スピーチの制限時間と、時間を超えたときの扱い
- テーマが自由か、指定されているか
- 原稿を事前に提出するかどうか、提出の形式
- 本番で原稿やメモを持ち込めるかどうか
- 暗唱の部門か、自分で原稿を書く弁論の部門か
- 審査で何が重視されるか
分からないことがあれば、先生や主催者に確認してください。このページで紹介する時間や語数は一般的な目安であり、どの大会のルールでもありません。
テーマの選び方
よいテーマとは、難しい社会問題ではなく、自分にしか話せない体験があるテーマです。審査する人や聞き手は、ほかの人と同じ話より、あなたが実際に感じたことを聞きたいと思っています。中学生・高校生がよく選ぶのは、次のようなテーマです。
- 将来の夢(My Dream) なりたい職業や姿と、そう思うきっかけになった出来事を話します。夢が決まっていなくても、「どんな人になりたいか」を話せば十分です。
- 尊敬する人(The Person I Respect) 家族、先生、部活の先輩など、身近な人のほうが具体的なエピソードを話せます。その人から何を学んだかを中心にします。
- 心に残った体験(My Experience) 留学やホームステイ、ボランティア、部活の大会、失敗から学んだことなど、自分が変わったきっかけを話します。
- 身近な問題と自分の考え 地域の課題や学校生活の中で気づいたことに、自分なりの意見や提案を添えます。
迷ったら、テーマごとに思い出せるエピソードを三つずつ書き出してみましょう。いちばん具体的に場面が浮かぶものが、話しやすいテーマです。
英語スピーチの構成
英語のスピーチも、日本語と同じく三つのパートで組み立てます。英語では、結論や主張を早めに言うのが基本です。
- Introduction(導入) 問いかけや短い場面の描写で聞き手を引きつけ、何について話すのかを一文で伝えます。
- Body(本論) きっかけになった体験、そこで感じたこと、考えが変わった理由を、時間の流れに沿って話します。ポイントは二つか三つまでにします。
- Conclusion(結論) 主張をもう一度言い、これから自分がすること、または聞き手へのメッセージで締めます。最後は "Thank you for listening." が定番です。
日本語で全体の流れをメモしてから英語にすると、話がぶれにくくなります。ただし、日本語の文を一文ずつ英語に直すと不自然になりやすいので、メモは箇条書き程度にとどめましょう。
自然な英語で書くコツ
- 短い文で書く。 聞き手は耳だけで理解します。一文に一つの内容を目安にして、関係代名詞が何度も続くような長い文は分けましょう。
- 知っている単語で書く。 辞書で見つけた難しい単語より、自分が意味と発音をよく知っている単語のほうが、気持ちを込めて話せます。
- 自分の体験を具体的に書く。 "It was a good experience." より、いつ、どこで、誰が、何をしたかを書くほうが伝わります。
- つなぎの言葉を使う。 First, Second, However, Because of this, Finally などを入れると、話の流れが分かりやすくなります。
- 先生やALTにチェックしてもらう。 文法の間違いだけでなく、言いたいことが伝わるかどうかを聞いてみましょう。
英語スピーチの書き出しの例文
次の例文は、このページのために書いたオリジナルです。そのまま使うのではなく、構成の参考にして、自分の体験に置きかえてください。
Have you ever waited outside a hospital room for someone you love? Two years ago, I did. Our dog, Momo, was very sick. I was scared, but the doctor smiled and said, "She will be OK." At that moment, I decided my dream. I want to be an animal doctor.
Hello, everyone. My name is Aoi. I am a second-year student, and I love playing the trumpet. Today, I want to talk about one sound that changed my life.
Every morning at six, my grandmother opens her small shop. She has done this for forty years. She never says she is tired. Today, I want to tell you what she taught me about working hard.
例文1は問いかけと短い場面の描写で始まり、最後に夢をはっきり言っています。例文2は自己紹介から入り、すぐに今日のテーマを予告しています。例文3は、具体的な時間や年数を入れて人物の姿を見せてから、話のテーマにつなげています。どれも一文が短く、中学で習う単語でできているのが特徴です。将来の夢の構成をそのまま使いたいときは、 「将来の夢」のテンプレート から始めると、カードの順番を考える手間が省けます。
自己紹介の書き出しで気をつけること
英語スピーチを自己紹介から始める人は多いですが、名前、学年、趣味を並べるだけで時間を使ってしまうと、本題に入る前に聞き手の集中が切れてしまいます。自己紹介は、本題につながる情報だけに絞りましょう。
- 名前は短く、はっきりと。 "My name is ..." のあとに少し間をとると、聞き取ってもらいやすくなります。
- テーマにつながる一言を入れる。 将来の夢が獣医なら「動物が好き」、音楽の話なら「吹奏楽部に入っている」など、あとの話の伏線になる情報を選びます。
- 二、三文で本題へ。 "Today, I want to talk about ..." と言って、自己紹介から本題に移ることをはっきり示します。
授業での英語の自己紹介スピーチなら、「名前」「好きなこと」「その理由やエピソード」「これからの目標」の四枚のカードに分けると、1分ほどのスピーチになります。
本番までの準備スケジュール
大会までの期間は人それぞれですが、次のような順番で進めると、最後に慌てずにすみます。
- テーマとエピソードを決める 要項を読み、書き出したエピソードの中から一つを選びます。
- 日本語で骨組みを作る 導入、本論、結論に入れることを箇条書きにします。
- 英語で下書きし、チェックを受ける 先生やALTに見てもらい、直した原稿を声に出して読んで時間を計ります。
- 原稿を固めて覚え始める 直しが終わったら、なるべく内容を変えずに、キーワードのカードで練習します。
- 人前でリハーサルする 家族や友だちの前で話し、表情やジェスチャー、声の大きさも確認します。
原稿を何度も書き直していると、覚える時間がなくなってしまいます。どこかで「この原稿で行く」と決めて、そこからは話す練習に時間を使いましょう。
時間と語数の目安
制限時間は大会によって違い、中学生と高校生で分かれていることもあります。要項で決められた時間をもとに、原稿の語数を考えましょう。英語のスピーチは、1分あたり約130語がよく使われる目安です。
| 話す時間 | 語数の目安(1分約130語) |
|---|---|
| 1分 | 約130語 |
| 3分 | 約390語 |
| 4分 | 約520語 |
| 5分 | 約650語 |
スピーチコンテストでは、気持ちを込めて間をとりながら話すので、普段の会話よりゆっくりになるのが普通です。英語に慣れていないうちは、1分100語前後になる人もいます。表の数字はあくまで目安なので、原稿ができたら声に出してタイマーで計り、自分の速さで調整してください。
EasyPalmCardsでは、英語のカードは1分あたり約130語として、カードごとと全体の予想時間を表示します。全体の制限時間を入れておけば、原稿が長すぎないかをすぐに確認できます。
暗記とカードの使い分け
スピーチコンテストでは、原稿やメモを持たずに話すことを求める大会が多くあります。持ち込めるかどうかは要項で必ず確認しましょう。持ち込めない場合も、キーワードを書いた発表用カードは、暗記の練習にとても役に立ちます。
- 全文の原稿で流れをつかむ 最初は原稿を見ながら、声に出して何度も読みます。
- キーワードのカードに切りかえる 段落ごとに一枚のカードを作り、思い出すための単語だけを書きます。カードを見ながら、文を自分で組み立てて話します。
- カードを伏せて話す カードを見ずに話し、詰まったところだけカードを確認します。詰まる場所が分かれば、そこを重点的に練習できます。
- 本番と同じ形で通す 立って、聞き手がいるつもりで、何も持たずに最初から最後まで話します。
一字一句を丸暗記するより、流れとキーワードで覚えておくほうが、一か所忘れても次の段落から立て直せます。覚えにくい単語やフレーズは、 単語カード のようにフラッシュカードにして、表に日本語、裏に英語を書いて覚えるのもおすすめです。
発音・イントネーションとリハーサル
同じ原稿でも、話し方で伝わり方は大きく変わります。発音の正しさに加えて、強く言う言葉、区切る場所、声の上げ下げを意識しましょう。
- お手本を聞いてまねる。 先生やALTに原稿を読んでもらって録音し、少し遅れて重ねて言うシャドーイングで練習します。
- 強調する単語に印をつける。 原稿やカードで大事な単語に下線を引き、区切る場所に斜線を入れておきます。
- 自分の声を録って聞く。 録音を聞き返すと、早口になっているところや、語尾が消えているところに気づけます。
- アイコンタクトを練習する。 一文ごとに顔を上げ、会場の左、中央、右を順番に見るように話します。
仕上げは、タイマーを使ったリハーサルです。EasyPalmCardsの練習モードでは、カードをめくりながら時間を計れます。対応しているブラウザでは、無料のリハーサルコーチが端末の中で声を聞き取り、話した言葉をカードの上でなぞって、読み飛ばした部分や話す速さを示します。音声は端末の外に送られず、対応していないブラウザではタイマーだけで練習できます。Goldにすると、練習の記録をリハーサル履歴として残し、回ごとの変化を見返せます。
本番当日に気をつけること
当日は、練習してきたことを落ち着いて出すことだけを考えましょう。会場に早めに着いて、ステージの広さやマイクの位置を確認しておくと安心です。名前を呼ばれたら、ゆっくり歩いて中央に立ち、会場を見回してから一呼吸おいて話し始めます。
途中で言葉が出てこなくなっても、黙ってしまう必要はありません。次の段落のキーワードを思い出し、そこから話を続ければ大丈夫です。練習でカードを使って段落ごとに覚えておくと、こうした立て直しがしやすくなります。話し終えたら "Thank you for listening." と言い、少し間をおいてから礼をしてステージを下ります。最後まで笑顔で終えることも、聞き手の印象に残る大切な一部です。
日本語のスピーチ原稿の書き方は スピーチ原稿の書き方 、カードの印刷方法は スピーチ用カードのページ で紹介しています。英単語の暗記には 中学英単語カード も使えます。料金やGoldの内容は 料金ページ で確認できます。
